歯科コラム


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矯正治療中の口腔ケア

矯正歯科

矯正治療中の口腔ケア

矯正治療中の適切な口腔ケアについてご紹介いたします。正しい口腔ケアができなければ、虫歯や歯周病といったトラブルが起きる可能性があります。口腔ケアを怠った際のリスクについてもご説明しますので、ぜひご参考ください。

矯正治療中の歯みがきと口腔ケアグッズ
ワイヤー矯正とマウスピース矯正は装置と歯の間に汚れが溜まりやすく、通常の口腔環境に比べて虫歯や歯周病のリスクが高まります。虫歯や歯周病は矯正治療を妨げる原因にもなるため、治療中はより丁寧な口腔ケアが求められます。

矯正治療中におすすめの口腔ケアグッズは、以下の3つです。

・フロス
・歯間ブラシ
・タフトブラシ(ヘッドが小さい歯ブラシ)

フロスは歯と歯の間の歯垢を除去するのに有効です。ワイヤー矯正の場合、ワイヤーの上下からフロスを通して汚れを落としましょう。装置周辺の汚れには歯間ブラシやタフトブラシを利用します。ブラケットまわりはタフトブラシでなぞるように磨き、ワイヤーの下側は歯間ブラシやタフトブラシの毛先を入れ込むようにブラッシングしてください。

マウスピース矯正の場合は、装着する前にマウスピースを必ず洗浄しましょう。洗浄時に歯みがき粉などを使用するとマウスピースが傷つく恐れがあります。専用の洗浄剤を使用してマウスピースを清潔に保ちましょう。

矯正治療中に口腔ケアを怠った際のリスク
矯正治療中は装置を長時間装着することから、口腔内が不衛生になりやすい状態です。残った食べカスを放置すると、やがて歯垢となり、口内炎や虫歯、歯周病を引き起こします。

虫歯や歯周病が進行すると、矯正治療を中断せざるを得ません。計画通りに治療が進まず、治療期間が想定よりも長引いてしまいます。

また、重度の虫歯は治療によって歯が変形することがあります。その場合、マウスピースが合わなくなり作り直しが必要になるでしょう。製作費用が追加でかかることも考えられます。

矯正治療を計画通りに進めるためには、口腔ケアの徹底が必要です。口腔環境を清潔に保つことは、治療成功のために欠かせないプロセスといえます。

Q1:マウスピース矯正中です。外食時に歯みがきができない場合はどうすればよいですか?
A1:すぐに歯みがきができない場合は、うがいをすることで食べカスや汚れを洗い流せます。また、マウスウォッシュには殺菌効果や口臭予防効果を得られるものもあります。活用するとよいでしょう。

Q2:矯正歯科治療中の虫歯を予防する方法はありますか?
A2:フッ素配合歯磨剤の使用や、歯みがき後にフッ素洗口液で口をゆすぐことで虫歯予防効果がより高まります。通院頻度を守り、歯科医院でのクリーニングやチェックを受けることも大切です。

記事監修 向井⻭科 院⻑・⻭科医師 向井 紀文

記事監修 向井⻭科 院⻑・⻭科医師 向井 紀文

略歴

  • 歯科医師
  • 歯学博士(1993年 大阪大学)

略歴

  • 1993年大阪大学歯学部卒業
    大阪大学歯学部口腔外科入局、博士号取得
    口腔外科手術のエキスパートとして、大阪労災病院、
    愛郷会笠利病院、名瀬徳洲会病院に出向
  • 2002年大阪府四條畷市にて「向井歯科院」を開業
  • 2008年「医療法人紀文会 向井歯科」となり現在に至る

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