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大人の矯正治療は遅すぎる?

矯正歯科

大人の矯正治療は遅すぎる?

患者さまごとに矯正治療の開始時期や治療を始めるきっかけは様々です。本コラムでは、成人以降に矯正を検討する事例や理由、メリットについてご紹介いたします。

年齢制限なし|矯正治療は大人も可能
基本的に、歯茎や歯槽骨(歯を支える骨)など歯周組織が健康であれば、矯正治療に年齢制限はありません。70代で歯列矯正を行った事例もあります。

歯科医院へのよくある相談として、大人になってから矯正治療を検討される主な理由は以下の通りです。

・成人式や結婚式、披露宴などのイベントを控えている
・営業職への就職、転職を検討している
・慢性的な身体の不調を解消したい
・虫歯や歯周病を予防したい

大人が矯正治療を始める目的は、審美面だけではありません。顎関節症による頭痛や肩こり、睡眠時無呼吸症候群など、慢性的な身体の不調を軽減する目的なども含まれます。

矯正治療にかかる期間は、全体矯正でおよそ1年から2年半、部分矯正でも数か月から1年ほどかかります。成人式・結婚式などのイベントや就職・転職を目的に矯正治療を行う場合は、歯科医師に相談のうえ計画を立てましょう。

一方、慢性的な身体の不調改善や虫歯・歯周病の予防が目的の場合であれば、特に時期を定めず矯正治療を開始できます。

ただし大人は虫歯や歯周病、歯の欠損など、歯と口腔内に経年的なダメージを蓄積している場合があります。その際には矯正治療だけでは治療が完了しないケースも多く発生します。例えば親知らずや歯周病を無自覚に併発している人も少なくありません。そのまま矯正治療を進めてしまう歯科医院もありますが、当院では矯正中の65才の方へ全顎に対して歯周病の外科治療を施し、リスクを最小限にしてから矯正治療を始めるようにしています。

こういった前程の処置ができていないと、矯正治療を行なっても患者さまの望まない仕上がりになってしまうリスクがあります。歯周外科治療をしなかったがゆえに矯正治療したにも関わらず、口臭が取れないといったケースが発生したり、歯を削って強引に前歯だけ下げることで、歯と歯の隙間が狭くなって自身で行なうセルフケアが困難になるケースが散見されます。

当院ではそういったリスクを最小限に抑えるために、まず10ヶ月は歯周治療をしてから矯正治療に取り掛かるようにしています。

成人後に矯正治療を行うことで得られるメリット
成人後に矯正治療を行うことで得られるメリットは、以下の通りです。

・歯並びの改善
・発音や滑舌の改善
・虫歯や歯周病リスクの軽減
・咀嚼機能の向上

歯並びが整うことで、唇や舌の動きがスムーズになります。歯と歯の隙間が適切な間隔になると空気の漏れが軽減し、発音や滑舌の改善が期待できます。歯みがきなどの日常的なケアもしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを抑えられます。さらに、噛み合わせの改善により、咀嚼機能が向上し、肩こりや頭痛などの症状が緩和される場合もあります。

矯正治療を検討する際、口コミや体験談を参考にすることもあるでしょう。しかし、同じ悩みでも症例や生活スタイルはそれぞれ異なります。まずは、矯正歯科の取り扱いがある歯科医院へご相談ください。

当院は、患者さまごとの症例や生活スタイルに合わせた治療プランをご提案いたします。お仕事への影響やライフイベントまでに治療が完了するかなど、不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

Q1:矯正治療を行ううえで仕事や日常生活に支障はありませんか?
A1:目立たない装置や取り外し可能なマウスピースなど、生活への影響を最小限に抑える治療方法があります。ただし、矯正装置それぞれに特徴や適した症例があるため、どの方法で歯列改善をするかは歯科医師とご相談のうえ決めてください。

Q2:大人の矯正治療にかかる費用の目安は?
A1:矯正治療にかかる費用は50万円〜150万円程度が一般的です。分割払いなど支払い方法は歯科医院によって異なります。当院の費用については、お気軽にお問い合わせください。

記事監修 向井⻭科 院⻑・⻭科医師 向井 紀文

記事監修 向井⻭科 院⻑・⻭科医師 向井 紀文

略歴

  • 歯科医師
  • 歯学博士(1993年 大阪大学)

略歴

  • 1993年大阪大学歯学部卒業
    大阪大学歯学部口腔外科入局、博士号取得
    口腔外科手術のエキスパートとして、大阪労災病院、
    愛郷会笠利病院、名瀬徳洲会病院に出向
  • 2002年大阪府四條畷市にて「向井歯科院」を開業
  • 2008年「医療法人紀文会 向井歯科」となり現在に至る

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