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インビザライン治療中にマウスピースが浮く原因と対処法を解説

矯正歯科

インビザライン治療中にマウスピースが浮く原因と対処法を解説

インビザラインの治療中、「マウスピースが浮いている気がする…」 と感じたことはありませんか?
実はその“浮き”には、いくつかの原因が考えられます。
マウスピースがしっかりフィットしないまま使い続けると、治療計画にズレが生じる可能性もあるため、注意が必要です。
このコラムでは、マウスピースが浮いてしまう主な原因や、そのまま放置するリスク、正しい対処法についてわかりやすく解説します。
インビザライン治療を安心して続けるために、ぜひ最後までお読みください。

インビザライン治療でマウスピースが浮く理由

インビザライン治療でマウスピースが浮く原因としては、いくつか理由があります。主な理由や、インビザラインが浮いている状態で使用し続けるリスクについて解説いたします。

なぜ浮いているのか

マウスピース矯正は、マウスピースを交換しながら、段階的に歯列を移動させていきます。そのため、交換した直後はなじむまでに時間がかかり、浮いているような違和感があります。
変形や破損も原因の一つです。インビザラインのマウスピース素材はやわらかく、歯ぎしりや熱湯での洗浄によって変形や破損につながる恐れがあります。
また、マウスピースを外しているときは、専用のケースに保管し変形や破損を防ぐことも大切です。
装着する時間が短い場合も、歯の移動が計画より遅れ、マウスピースが合わなくなり浮く原因となります。

マウスピースが浮いたままで使用するリスク

インビザライン治療でマウスピースを浮いたまま使用すると、いくつかのリスクが考えられます。
マウスピースが浮いた状態では、歯に対して正確な矯正力が加わらず、計画通りに歯が動きません。その結果、治療期間が延びたり、再治療が必要になったりする可能性があります。
また、合わないマウスピースが口腔内に当たって、歯ぐきや頬の粘膜に不必要な圧力をかけたり、擦れを生じさせることがあり、痛みや炎症につながる場合もあります。
さらに、マウスピース自体の変形や破損につながることもあるため対処が必要です。

インビザライン治療でマウスピースが浮いているときの対処法

マウスピースが浮いていると感じた場合の対処法を解説します。
マウスピースに「浮いている感じがする」と気づいたときは、まず装着時間を見直してみましょう。
予定されている1日20〜22時間の装着時間をきちんと守れているか、今一度確認してみてください。装着時間が不足していると、歯が計画通りに動かず、マウスピースがしっかりフィットしなくなる原因になります。

また、新しいマウスピースに交換したばかりのときには、歯の位置とのズレによって多少の浮きや違和感を覚えることがあります。
このような場合、「チューイー」と呼ばれるシリコン製の補助具を噛むことで、マウスピースが歯列に密着しフィット感が向上します。
特に交換から2〜3日後は浮きが生じやすいため、15分以上は丁寧にチューイーを噛みましょう。チューイーを噛んでも浮きが解消されない場合は、歯科医師に相談が必要です。

治療計画よりも歯列移動が遅れていると歯科医師が判断した場合には、一つ前のマウスピースに一時的に戻す対応をとることもあります。ただし、患者さまの自己判断で行うことは避けてください。

当院では、カウンセリングから治療まですべて院長が責任をもって対応いたします。マウスピースのフィット感や治療の進行状況に不安のある方は、気軽にご相談ください。

 

Q1:新しいマウスピースに変えたときの違和感は何日くらいありますか?
A1:2〜3日ほどで違和感がなくなるケースがほとんどです。それ以上経過しても続く場合は、歯科医院へご相談ください

Q2:チューイーは使い捨てですか?
A2:水洗いをして、繰り返し使用可能です。水洗いのあとは、しっかりと乾燥させてください。10日ほどで新しいものに交換しましょう。

記事監修 向井⻭科 院⻑・⻭科医師 向井 紀文

記事監修 向井⻭科 院⻑・⻭科医師 向井 紀文

略歴

  • 歯科医師
  • 歯学博士(1993年 大阪大学)

略歴

  • 1993年大阪大学歯学部卒業
    大阪大学歯学部口腔外科入局、博士号取得
    口腔外科手術のエキスパートとして、大阪労災病院、
    愛郷会笠利病院、名瀬徳洲会病院に出向
  • 2002年大阪府四條畷市にて「向井歯科院」を開業
  • 2008年「医療法人紀文会 向井歯科」となり現在に至る

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