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インビザラインと裏側矯正、どっちを選べばいい?歯科医師が解説

矯正歯科

インビザラインと裏側矯正、どっちを選べばいい?歯科医師が解説

「インビザラインと裏側矯正、どちらがいいの?」
「それぞれの特徴を知りたい」
矯正を検討中の方は、どちらを選択すればよいか、迷われているかもしれません。
インビザラインはマウスピースによる矯正で、裏側矯正は金属製のブラケットを歯の裏側に装着する矯正です。見た目や仕上がりの美しさ、費用、治療期間がそれぞれ異なります。
本コラムではインビザラインと裏側矯正の違いを詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

インビザラインと裏側矯正の違いは?

インビザラインと裏側矯正は、それぞれ特徴が異なります。
主な違いである4点を詳しく解説します。

見た目の違い:より気づかれにくいのは「裏側矯正」

他人から見て、より気づかれにくいのは「裏側矯正」です。裏側矯正は歯の裏側にワイヤーやブラケットといった矯正装置を装着するため、正面からは見えません。そのため、大きく口を開けない限り、他人に矯正治療中であることを気づかれる心配はほとんどないでしょう。
一方インビザラインは、透明なマウスピース型の装置を用いるため、一見すると何も着けていないように見えます。しかし、光の加減や至近距離の会話で、装置の縁や歯の表面に装着したアタッチメント(歯を動かすための突起)の存在に気づかれる可能性があります。

対応できる歯並びの違い:より幅広いのは「裏側矯正」

インビザラインと裏側矯正では仕上がりの美しさに大きな違いはありません。ただし、対応できる症例の範囲は「裏側矯正」のほうが広いです。
裏側矯正は歯科医師がワイヤーを微調整しながら力を加えるため、複雑な歯の動きにも対応可能です。インビザラインでは治療が難しいと判断された重度の不正咬合など、幅広い症例に対応できるのが強みといえるでしょう。

費用の違い:比較的抑えられるのは「インビザライン」

裏側矯正と比較すると、インビザラインのほうが費用を抑えられる傾向があります。
インビザラインの費用は全体矯正で80~100万円程度、裏側矯正の費用は全体矯正で、120~150万円程度です。
難症例にも対応ができる裏側矯正のほうが高めとなっています。
ただし、矯正治療は自費診療のため、歯科医院によって費用が異なります。

治療期間の違い:一概にどちらが早いとは言えない

インビザラインと裏側矯正の治療期間は、どちらが早いとは一概にいえません。患者さま個人の歯の動くスピードや矯正装置の管理の違いによって、治療に必要な期間が変わるためです。
インビザラインと裏側矯正に必要な一般的な治療期間と影響を及ぼす要因を以下に解説します。

【インビザライン】

インビザラインの治療期間は1年半〜2年程度で、症状の程度によっては6ヶ月〜最長5年かかる場合もあります。
また、治療期間の長さは患者さまの自己管理によって左右され、たとえば、装着時間が守られていないと治療期間が長引くことがあります。

【裏側矯正】

裏側矯正の場合は、症例により治療期間は異なりますが、一般的には1年半〜2年程度です。嚙み合わせの大きな改善が必要だったり、歯の動きが複雑だったりすると、インビザラインに比べて時間がかかります。

インビザラインと裏側矯正どっちを選べばいいの?

インビザラインと裏側矯正で迷われている方もいらっしゃるでしょう。本章では、それぞれの治療に向いている人を解説します。

インビザラインが向いている人

インビザラインは、食事や口腔ケアを、普段通りに行いたい方に向いています。マウスピースは簡単に取り外せるため、虫歯や歯周病にならないようにしっかりと口腔ケアができます。
また、矯正装置に金属を使用していないため、金属アレルギーの方も安心です。ただし、マウスピースの管理は自分で行う必要があるため、自己管理ができる方に向いています。
インビザラインは、軽度から中程度の歯列矯正に向いており、抜歯を伴うような難症例には向いていません。

裏側矯正が向いている人

裏側矯正は、矯正していることを気づかれたくない方に向いています。また、抜歯を伴うような難症例の方や歯並びの乱れが大きい方に適応されます。
インビザラインのマウスピース管理を負担に感じる方や、裏側矯正の食事制限(固いものや粘着性のあるもの)に対応ができる方におすすめです。

インビザラインの詳細は以下のコラムをご参照ください。
インビザラインのメリットとデメリットを理解しよう

当院では患者さま一人ひとりのお口の状態やご希望に合わせた矯正治療をご提案しております。 インビザラインでの矯正治療を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

 

Q1:矯正中に痛みはありますか?
A1:矯正は歯を動かす治療のため、どちらも痛みを伴います。しかし、インビザラインは一度に歯を動かす量が細かく調整されているため、裏側矯正に比べて痛みは少ない傾向にあります。

Q2:装着中に違和感や気持ち悪さがないのはどちらですか?
A2:裏側矯正の場合、話しにくさや舌が装置にあたって口内炎ができることがあります。インビザラインによる矯正は違和感が少なく、取り外しも可能なため、裏側矯正と比較すると不快感は少ないでしょう。

記事監修 向井⻭科 院⻑・⻭科医師 向井 紀文

記事監修 向井⻭科 院⻑・⻭科医師 向井 紀文

略歴

  • 歯科医師
  • 歯学博士(1993年 大阪大学)

略歴

  • 1993年大阪大学歯学部卒業
    大阪大学歯学部口腔外科入局、博士号取得
    口腔外科手術のエキスパートとして、大阪労災病院、
    愛郷会笠利病院、名瀬徳洲会病院に出向
  • 2002年大阪府四條畷市にて「向井歯科院」を開業
  • 2008年「医療法人紀文会 向井歯科」となり現在に至る

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