向井歯科ブログ


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右左で違う治療法で欠損を回復できた症例

歯科治療全般

こんにちは。院長の向井です。

 

7月に入り暑い日々がやってきましたね。

これから本格的な猛暑がやってきますが、体調を崩されないよう水分や栄養をしっかり取って体調には十分お気を付けください。

 

今回は左右異なる処置をした珍しい症例のご紹介です。

ポイントとしては次の点です。

 

1:乳歯が残り永久歯が生えていない状態で大人になっているのでリカバリーが難しい。

 

2:ブリッジで4番と6番の歯を犠牲にすることが多いのですが、ブリッジにしてしまうと支台にした歯が8年くらいで悪くなることが多いので出来れば削らずに解決したい。

 

3:右側は矯正後インプラント、左側は奇跡的に利用できる埋伏歯があったので移植して対応した、左右異なる治療法を施した珍しい症例です。

右左で違う治療法で欠損を回復できた症例

【初診時の状態】

左下5番の永久歯が生えてきておらず乳歯が晩期残存していますが、抜け落ちそうになっています。右側も同様の状態ですが、右は完全に脱落しています。

 

左側5番の乳歯が抜け落ちそうな状態です。

右左で違う治療法で欠損を回復できた症例

では左右それぞれの処置について説明していきます。

 

 

【右側】

右下の5番の欠損は右の親知らずを抜き、前に倒れた6番と7番を矯正で起こしてインプラントを施しました。

右左で違う治療法で欠損を回復できた症例 右左で違う治療法で欠損を回復できた症例

【左側】

左は晩期残存がよかったのか、奥歯は倒れていません。

 

そして何と奇跡的に欠損している5番そっくりな埋伏歯が右上の8番にありました。

右左で違う治療法で欠損を回復できた症例

この歯を左下の5番に移植することに成功しました。

右左で違う治療法で欠損を回復できた症例

右と左で違う治療法で欠損を回復できた症例です。

 

移植をした左の移植歯のほうが違和感は少ないという感想をお聞きしました。

右上にぴったりな埋伏歯があるという奇跡が生んだ珍しい症例です。

 

左右で治療法の違いの感想を聞けることは稀なのでとても貴重な症例になりました。

術後の状態も良好で安心しております。

右左で違う治療法で欠損を回復できた症例

【あとがき】

乳歯の晩期残存は後続の永久歯がないため、大人になっても残っている方も多いのですが、結局は、だんだん根っこがなくなり、自然脱落することが多くあります。

 

簡単な欠損の解決として、ブリッジを選択されるケースが多いのですが、ブリッジはどうしても支台の負担が大きいため悪化する可能性が高い。8年後に入れ歯になるよと言われて納得がいく方法でしょうか。

 

この患者さんは右側の晩期残存の歯を脱落した後放置したために、奥の歯が倒れてしまいました。右の8番が押したのかもしれません。臼歯が倒れてるのも将来問題があるので、8番を抜いて矯正で起こしてまっすぐにしてから隙間を埋めたいのですが、骨幅が狭くインプラントでないと入らない(インプラントは歯牙より一般的には細い)、右上の8番は使えない。という事情から上の8番は左用になりました。

 

左はかろうじて晩期残存の歯が根っこはないけど骨から外れる寸前でした。しかし隙間は後続永久歯より残っているし、骨幅も残っている。放置すると奥歯が倒れたかもしれないが、抜ける直前でぎりぎりセーフでした。しっかり移植歯にバトンを渡してくれた恰好です。

 

晩期残存の歯はよく拝見しますが、ほとんどいずれなくなるものです。抜けるまでは骨幅をキープしてくれてるので、インプラント、矯正、移植など様々な選択肢が残せます。脱落後に放置すると骨幅が減ったり、歯が倒れたりして選択肢が狭まってしまうので、ブリッジのように永久歯を犠牲にしない方法を選んで欲しいと思います。

 

 

できるだけ歯を残したい、そんな患者さまのお気持ちに応えるべく、日々研鑽を重ねてまいります。

 

お口のことでお悩みの方はお気軽に向井歯科までご相談ください。

 

 

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